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“この冬、ニットからメットへ。” スキー&スノーボードはヘルメット着用がカッコいい|ハピスノ講座

ハピスノ編集長●竹川紀人 2025.01.20
スキー&スノーボード滑走時、ヘルメットを被っていますか? 子供に被らせていますか?

安全を考えるなら、ヘルメット着用は必須。子供に着用させるのは親の義務です。

最近のヘルメットは軽量化や防寒性なども向上されていますし、ファッション的にもカッコいいと認識されはじめています。「この冬、ニットからメットへ。」を合言葉に、ヘルメット着用を真剣に考えてみませんか?
  • ファッションとしてのヘルメット

    最近、スキーヤー&スノーボーダーのファッションが一部、変わってきていると感じます。そう、頭部、ヘルメットですね。

    これまでは競技者層以外はほぼ100%、ニット帽&ゴーグルというスタイルでした。しかし、ここ数年でヘルメットを着用するスキーヤー&スノーボーダーの比率上昇が顕著。苗場スキー場や軽井沢プリンスホテルスキー場のプリンススノーリゾーツの調査(2023/24シーズン調べ)では、なんと、45.1%にまで上昇しているそうです。

    海外ではヘルメット着用を義務とするスキー場もあるなど、外国人のヘルメット着用率が高いので、国内スキー場のインバウンド人気により、海外の方が増えた=ヘルメット着用率の上昇という側面は間違いなくあるでしょう。とはいえ、日本人のヘルメット着用率が上がっていることに疑いの余地はありません。

    その要因はいろいろあると思いますが、いちばんは「ヘルメット着用がカッコいい!」というファッション感覚の変化ではないでしょうか。

    ヘルメット自体も、カラーや素材感など、デザインにこだわったものが続々と登場しており、デザインの幅の広いニット同様、お気に入りを選べるようになってきています。

    加えて、スキーもスノーボードも、ギアだけでなく、ウェアにもこだわっている上級者の着用率がとくに高く、彼らの滑りのカッコよさが、ヘルメットのファッション性をワンランク上に押し上げてくれたのも大きな要因でしょう。

  • ヘルメットの機能や重要性

    ヘルメット着用の目的の根本は当然、安全面の向上です。スキーやスノーボードは滑走レベルに関係なく、危険を伴うスポーツ。初心者であれば、滑走スキルの欠如から転倒ということもあるでしょうし、上級者であれば、スノーパークやツリーランでの滑走時の事故も想定されます。

    ここからは、ヘルメットの基本的な機能や重要性についてご紹介していきます。

    [1]転倒や衝突時の頭部や顔への衝撃緩和
    転倒時の怪我の予防。とくに、スノーボードは逆エッジ転倒という大怪我につながりやすい転倒の可能性がありますので、より重要です。そのほか、他のスキーヤー&スノーボーダーとの接触、立木や支柱といった障害物との衝突の際にも効果を発揮します。

    [2]防寒性・防風性に優れる
    意外と知られていませんが、ヘルメットは防寒性にも優れています。ゴーグルとの一体感も高いので、風にも強い。そして、転倒時、脱げてしまう心配もないので、付け直しなどの手間がないのも大きなメリットと言えます。

    [3]ゴーグルが曇りづらくなる
    ゴーグルが曇る要因は、①頭や顔の熱がゴーグルに伝わって、湿った空気がゴーグル内にこもってしまう、②ゴーグルが顔にフィットしていないため、隙間から息や雪が入ってしまう、など。ヘルメットとゴーグルを併用すれば、フィット感が向上されるので、①②が解消され、ゴーグルが曇りづらいという効果が期待できます。

  • ヘルメットの選び方

    [1]フィット感をチェックしよう
    スキー&スノーボード用のヘルメットは自分の頭にしっかりとフィットするものをチョイスしましょう。チェックするポイントは、小さくて不快な圧迫感や痛みがないか、逆に大きくて、ぐらつきがあったり、浮いていたりしないか。

    ニット帽やインナーキャップを付ける場合は、購入の際、持参して装着感を確認することをおすすめします。

    最近は、フィット感向上のために、ダイヤル調整機能付きのものや、アジアンフィット、ジャパンフィットなど、日本人の頭に合うよう設計されたものも発売されているので、要チェックです。

    [2]ヘルメットの構造は?
    ヘルメット外側の硬い部分、シェルには大きく2つの構造があります。シェルと緩衝材が別々になった「ハードシェル構造」と、シェルに緩衝材が搭載された「インモールド構造」です。

    耐久性や耐衝撃性に優れるのはハードシェル構造、薄くて軽量なのがインモールド構造。なお、ハードシェル構造とインモールド構造の特徴をあわせ持つハイブリッド構造もあります。

    一概にどれが秀逸ということはありませんので、初心者のうちは心配だからハードシェル構造とか、装着感が重たいのでインモールド構造といった感じで、好みで選択してください。

    [3]安全基準も念のため確認
    一般の方にとっては参考程度になりますが、安全基準も確認はしておきたいところ。アメリカ規格が「ASTM」、ヨーロッパ規格が「CE」。ヘルメットの内側や公式サイトなどに記載があるので、安全基準担保の確認のために、念のため、チェックしておきましょう。

    また、多方向衝撃保護システム「MIPS」を搭載したモデルも各ブランドから発売されているので、ヘルメット選びの際の参考にしてみてください。

    [4]好きなデザインやコーディネイトも
    構造や安全基準など、小難しい話もしてきましたが、ヘルメットもファッションです。フィット感だけはマストなポイントですが、それ以外は、デザインやカラーリングなど、自分のウェアやゴーグルなどとあわせて好みで選んでもらって問題ありません。

    とくに、子供にとっては、ヘルメットはストレスのもと。デザイン的に付けたい! と思えるものを選んであげるのが、いちばんの失敗しないヘルメット選びとなるでしょう。

  • この冬、ニットからメットへ。_まとめ

    プリンススノーリゾーツ、東急スノーリゾート、日本スキー場開発のスキー場3グループは共通プロモーションとして、「この冬、ニットからメットへ。」をキャッチフレーズに、安全啓発活動に取り組んでいます。

    3グループすべてのスキー場でヘルメットのレンタルが可能ですし、プリンススノーリゾーツ9スキー場では、スキーorスノーボードギアをレンタルすると、ヘルメット貸し出しが無料というサービスも。

    さぁ、「この冬、ニットからメットへ。」を合言葉に、家族で、お友達同士で、もちろん、おひとり様で、スキー&スノーボード旅行にでかけましょう!

ハピスノ編集長●竹川紀人
埼玉県出身。30年にわたり、スキー&スノーボード関連メディアに携わる。なかでも、ファミリースキーの普及・啓発を目指し、各種メディアのディレクター業も兼務。「ハピスノ」は7年前に創刊。これまでに取材したスキー場数は200を超え、ファミリー対象の雪上イベントも多数開催。テレビやラジオなどのマスメディアにも積極的に出演中。